この時期になるとホテルで働いていた頃を思い出す。

旧日記に書いた『腰椎圧迫骨折事件』は、忘れたくても忘れられない悪夢だった。
あれほど悲惨なクリスマスは無かったね〜。
 

骨折で戦線離脱した以外、クリスマスは毎年仕事というのはホテルでは当たり前の事。
新人が期間中に休み希望など入れようものなら蹴りが飛んでいた。

ホテルにとってクリスマスは一番の稼ぎ時なので、当然と言えば当然なんですよね。
 

長いことホテルにいたので、クリスマスのエピソードもいくつかある。

入社1年目のイヴはルームサービスを担当していた。
私はルームサービスを兼務するレストランに居り、普段はルームサービスを担当していても暇な時間はホールも担当することになる。

しかしクリスマスとなるとホールはもちろんの事、ルームサービスもフル稼動で大忙し。
1度もホールに出ることなく調理場と客室を往復していたと思う。

届ける先は当然のごとくカポ〜の部屋(´∀`*)
 

戦に備えての食事といったところか。
 

だってさ、客室があるフロアの廊下に行くと“アッハン♪ウッフン♪”と、あちこちから艶かしい声が飛び交っているんですもの。
 

クリスマスってSEXする日なのか???
 

って思ったね( ´_ゝ`)  
 

 
枕が変わっても
やっぱり するこた同じ


 〜 ユニコーン『大迷惑』より 〜
 
 

2年目も同じレストランに居た。

今度は調理場で待機し、ホールから続々と来るオーダーを通す係りを担当。
出来上がった料理を運ぶテーブルの指示を出したりと、これまた大忙し。

捌けないほどオーダーが来たので、途中から横のキャビネットに伝票を貼り付けておいたらすっかり忘れてしまい上司から

『○番テーブルの料理全然出てこないゾヽ(`Д´)ノ』
 
って怒られたっけ。

オーダー通してもさ、忙しすぎて調理場がパンクしちゃうんだけどね。

今回もホールに出ることは無かった。
声を出しっぱなしだったので喉が痛くなったな。

その日は泊まり勤務。
翌朝起きて朝食の準備中はヤケになり、同僚と2人でシャンパンのハーフボトルを空けて仕事に臨んだ。

『クリスマスだからいいよな(´∀`*)』

って感じでした。
 

その後、違うレストランに異動してもクリスマスの忙しさは相変わらず。

クローズ後に調理場で料理をつまみつつ、シャンパンを飲むのがホテルでのクリスマスの過ごし方でした。
家で過ごすよりは楽しかったかもしれないな。
 

 

客の話も少し。

クリスマスが近付くと店のBGMはクリスマスソングを流すことが多い。
洋楽の定番が主である。

ある日、夜の営業中にCMで良く聴く曲が流れてきた。
 

“ん〜、誰の曲だっけ?”
 

前奏が終わり歌詞を聴いたところで分かった。
 


山下達郎の『クリスマス・イブ』
 

であった!!
 

しかしBGMで邦楽はご法度。
 

“誰がこの曲流してんだ!?”
 

以前、辛島美登里の『サイレント・イヴ』を流したのではないかと疑った“幸薄そうな先輩女性社員”かと思った。

しかし近くに居たバイト君に聞くと、カウンターに1人で来た客が持ってきたCDらしい。
どうしても聴きたかったとのこと。

どんな客か見てみると、『なるほどね』と妙に納得してしまいそうな感じの人でした。
 


次は先輩から聞いた話。

2名で予約が入っていたテーブルに女性が先にやってきたらしい。
周りのテーブルではカポ〜が楽しそうに食事をしている。

1人で来た女性のテーブルは、いくら待っても連れの男性が現われない。
 
そしてその女性はテーブルで1人泣き出したという。

予約を入れる前か当日かは知らないが、振られたのであろう。

見ている方もちょっと悲しくなりますね。
 



しかしさ、世界中の人から誕生日を祝ってもらえる方は他には居ないよね。
やるな、キリスト。

日本じゃSEXする日だがな( ̄ー ̄)

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